気管支喘息
一般的にぜんそくというと気管支喘息をさし、気管支(または気道)にアレルギー性の慢性炎症が生じ、気道が敏感(過敏性)になる病気です。発作性の呼吸困難や喘鳴(ゼーゼーやヒューヒューと音を立てて息苦しくなる状態)、咳などの症状をおこします。症状は明け方や天候の変化、風邪をひいたときなどに生じやすくなります。症状が一過性のため、そのまま放置されることもあります。
喘息の原因
原因は様々ですが、大きく2つに分けられます。
気管支喘息は小児、成人共に罹患しますが、有病率は小児15%以上、成人5-10%程度と非常に高く、近年どんどん増加しています。
子供の頃は比較的男児に多く、乳幼児期から発症することもあります。成人になるにつれ治ることもありますが、成人に移行したり、成人再発する例も多く認めます。
成人発症の場合は、発症最多年齢は40歳代で女性にやや多く、風邪の後の長引く咳や、息切れ、喘鳴(胸のゼーゼーした音)などで発見されることが多い病気です。放置すると、肺の老化が進むため、きちんとした治療が必要な病気です。
診断方法
診断は呼吸機能検査(気道が狭いかどうか)で気道の空気の流れが悪くなっていないかどうかを調べます。気管支拡張薬を吸ったあとにその流れが改善すれば気管支喘息の可能性が高くなります。また呼気中一酸化窒素分析(気道にアレルギー性炎症があるかどうか)や血液検査(アレルゲン検査)も原因特定に有用です。アトピー性・好酸球性・好中球性など、いろんなタイプのあることがわかってきています。また、喘息では環境整備も大変重要です。ハウスダストやカビ、ペットなど原因は人によって様々であるため、病態に応じた検査法を選択いたします。
治療について
気管支の慢性炎症を抑える吸入ステロイド薬を中心に、気管支拡張剤や抗アレルギー薬などの薬剤をつかってコントロールしていくことが一般的です。同じ系列の吸入薬でも患者さまごとに相性があり、きちんとした薬剤選択が重要です。的確な薬剤を選択し、きちんと治療を行えば、喘息患者さまの90%は健康人と全く変わらない生活を送ることが可能です。
また、治療においては環境整備も非常に重要です。当院では様々な方法を紹介し、環境整備に役立つノウハウをお伝えします。喘息の診断に関しても、きちんと鑑別診断を行い、進めていきます。喘息と診断され、漫然と吸入加療をされている方は、診断に関しても、一度、ご相談ください。